吹奏楽部に入ろうと思っている、あるいは新しいサークルに入って、クラリネットを始めようかな、と思っている方がまず最初に悩むのは、
「どの種類が吹きやすいか?」
「楽器を始める時は何を準備すればいいの?」
ということではないでしょうか。
私は吹奏楽部で初めてクラリネットに触れました。
顧問がそれぞれの生徒に合う楽器を与えていくスタイルだったため、選択の余地はなく、クラリネットになりました。
いざ始めてみたら、クラリネットにはいろんな種類があることや、消耗品が結構必要であることを後から知りました。
これを先に知っていたら、もっとスムーズに準備ができたり、楽器選びのヒントになるのでは?と思いました。
そこで今回は、クラリネット一筋で20年以上活動を続けている私が、クラリネットを始める際に知っておいた方が良さそうなことを集めましたのでご紹介します!
クラリネット初心者が始めやすいのは?
初めてクラリネット始めるなら、まずはB♭クラリネットがおすすめです。
それぞれのバンドには大編成・小編成・アンサンブル などと色々ありますが、どんな編成においてもB♭クラリネットは必ず存在し、メロディーラインを担当したり、ソロパートも曲によっては出てくるので、いろんな顔を一番楽しめるのはB♭管ではないかと思います。
そもそも吹奏楽の編成は、おおまかには木管楽器(フルート・クラリネット・、金管楽器、パーカッション、弦ベースで構成されており、高音域がフルート・クラリネット・オーボエ・ソプラノサックス・アルトサックス・トランペットが主に担当します。
中でももっとも本数が多いのはB♭クラリネットである場合がほとんどで、配置も前列になることが多いです。
花形の楽器とも言われていますので、クラリネットはとてもやりがいのある楽器です。
B♭管の特徴
クラリネットにはB♭管の他に、E♭(エス)クラリネット、A(アルト)クラリネット、E♭アルトクラリネット、バスクラリネットなど、様々な種類があります。
B♭クラリネット、E♭(エス)クラリネット、A(アルト)クラリネットは、見た目は同じで長さが少しずつ違い、音域も少しずつ違います。
真ん中に位置するのがB♭管ですので、一番メジャーで、親しみやすい管といえます。
慣れてくれば、E♭管やA菅にもチャレンジして、曲の中で持ち替えをしながら両方担当する人もいます。
ここで、ピアノをやっていた人は少し戸惑うのですが、B♭というのはこの楽器の基音「ド」となる音で、楽譜もこのとおりに読んでいきます。
ピアノは基音がCですから、ピアノで言うと「シの♭」がB♭クラリネットの「ド」となるわけです。
絶対音感のある人は少々戸惑うかもしれません。
とはいえ、E♭クラリネットは基音が「E♭」つまりピアノでいうと「ミの♭」というように、その他の楽器で基音はさまざまですので、「べー」とか「ツェー」のように、ドイツ読みで音を呼べるようにしておくと、他の楽器の方とお話しする時にも便利です。
知っておきたい消耗品
クラリネットをやっていく上で主に必要な消耗品はこちらです。
- リード・・・一番の消耗品 これがないと音が出ない
- マウスピース パッチ・・・マウスピースの上前歯が当たる部分に負担軽減のために貼る
- スワブ・・・演奏の合間や練習後に管内の水分を拭き取る
- グリス・・・ジョイント部のコルクに塗る
- クロス・・・楽器を磨く際に必要 主にキー部分を拭く
- クリーニングペーパー・・・トーンホール(楽器の穴)から出てくる水分を吸い取る
- パウダーペーパー・・・トーンホールのベタつきが気になった時
クラリネットを始める上で、とりあえず必要なのはこれです。
リードがないと音が出ませんので、まずはこちらを買いましょう。
10本入り1箱でも買えますし、1本ずつバラでも買えます。
価格は1箱で約3,000円〜、バラですと350円くらいから購入できます。
ただしこのリード、かなり個体差があって、10本入りを買ったけど使えるリードは数本・・・。なんてこともあります。
吹くことに慣れてきて、自分の理想の音色などが出てきた頃に、リード選びにシビアになってきます。
ある程度本格的にやっていくなら、月に最低1箱は必要かもしれません。
たくさん種類があるので、ゆくゆくは自分に合ったリードを選ぶといいですよ。
何を買えばまったくわからない!という方は、バンドーレン トラディッショナル(通称:青箱)の”2.5 または 3(リードの厚み)”あたりを選ぶと良いでしょう。
選び抜いた数本のリードをローテーションで吹くようにしていれば、長持ちさせることができますよ。
他の消耗品は数百円程度で買えるものがほとんどで、長く使えるものも多いので、消耗品にかかるコストは、リード以外はそこまで気負いすることはないかと思います。
クラリネットのパーツ名称と組み立て方
クラリネットは5つの部分から成り立っています。 上から順に、マウスピース、バレル(樽)、上菅、下菅、ベルという構成です。
手順は以下のとおりです。
1. ベルに下管をつける・・・下管の下部のジョイント分にコルクがついているので、そこへコルクグリスを塗ります。表面を薄く覆うくらいで十分です。ただし、新品のクラリネットはコルクがまだ新しくて硬いため、多めに、刷り込むように丁寧に塗りましょう。
2. 下管と上管をつける・・・上管は上部にも下部にもジョイント部にコルクが付いています。下には下巻が、上にはバレルがつきますので、この段階でグリスはどちらにも塗っておきましょう。上巻にも下巻にもキーがたくさんついています。ここを強く握って力をかけてしまうと、曲がったり歪んだ理して、タンポと穴の位置がずれたり、異音がする原因となりますので、注意しましょう。
キーがついていない部分と、トーンホールあたりにあるリングを押さえてを握るようにすると、他のキーをほとんど触らずに済むかと思います。
3. 上管にバレルをつける・・・2. と同じようにキーに気をつけながらつけます
4. マウスピース をつける・・・リガチャ とリードは外した状態で取り付けますマウスピースのジョイント部にもコルクがあるので、必要に応じて塗りましょう。
5.マウスピース にリガチャーとリードをつけて完成
補足:グリスは毎回塗る必要はありません。滑りが悪いな、と思った時に塗りましょう。ただし新品の場合はコルクがまだ固いため、約1ヶ月くらいは塗り続けることをお勧めします。
また、グリスがコルクからはみ出てしまった際には、ティッシュなどでいいので拭き取りましょう。
リードのつけ方
楽器を組み立てたら、リードをつけましょう。
リガチャーが先か、リードが先か、というのはどちらでも大丈夫ですが、今回はリードの先端を少しでも安全に守るため、リガチャーを先につけていきます。
まず、リガチャーを上から入れます。リガチャーはマウスピース 形に合わせて、下が少し広く、上にいくほど少し狭くしてありますので、正しい方向へ入れましょう。リガチャーにも様々な材質、向きも様々ですから、それぞれのリガチャーに合わせてください。
次にリードをセットします。ここで注意ですが、リードは使う前に必ず湿らせてから使います。なぜなら、新品や、長い間使用していなかったリードは乾燥しているため、そのまま使うとうまく振動せず。音が出にくいです。
湿らせ方は大きく分けて2つ。
口にくわえて、新品だったら30秒くらい、または味がなくなるくらいまで(新品は最初加えた時、たけを食べているような味がします)、新品でなければ10秒もくわえたら十分かと思います。
表面を湿らせる程度で大丈夫です。もう一つは水につけて湿らせる方法もあります。
ただし、湿らせすぎるとリードを痛める原因となり、長持ちしにくくなるので注意してくださいね。
リードの正しい高さは、マウスピース先端よりリードの先端部が髪の毛1〜2本分程度くらい下です。
同じ高さではなく、すこしだけリードを下にずらします。
リードの位置を決めるときは、必ず目線の高さのところにマウスピースを上げてセットしてください。
見る角度がちがうと正しい位置の調整ができないからです。
ちなみに、リードの材料は竹だと思っている人も多いようですが、実はそうではなく、葦(アシ)というイネ科の植物からできていて、良品なリードは南フランスなどで取れた葦が使われることがほとんどです。
なお、リードの先端はとても薄く、デリケートです。何かに触れただけですぐ割れたり欠けたりします。
こうなるともうそのリードは使い物にならなくなってしまいます。
ですので取り扱いには十分注意し、吹いていない時はキャップをつける習慣をつけておきましょう。
まとめ
吹き始める前に色々気をつけることもありますが、慣れれば全部簡単で、ただのルーティンになりますので、根気よく頑張って覚えてくださいね。
ここまで来たら後はたっぷり息を入れて吹くだけです!
ぜひ、これからクラリネットを楽しんでくださいね。